個人破産の乱用 [個人破産]

個人破産をすれば借金が100%免除されるとそそのかされれば、心は動くでしょうね…。 でも、個人破産を申請したうちの90パーセント以上が破産宣告を受けるというほど、簡単なものなんですかね? ブローカーの手にかかれば簡単なのでしょうか。 今後何らかの影響があるのではと心配になります。




個人破産の乱用
(2009年9月22日 東亜日報)


米国では、交通事故被害者らを追いかけ、損害賠償請求の訴訟を起こすよう促し、金を稼ぐ弁護士を「救急車を追う人(ambulance chaser)と呼ぶ。韓国は、事務所で依頼人を待つ弁護士が依然多いが、以前より事件を追いかけるケースを多く目にする。一部の弁護士らが、集団訴訟に参加する依頼人をインターネットで募集し、議論を呼んだことがある。最近、農村や漁村では、「借金からの解放」や「債務返済、借金取立て禁止」などが書かれた垂れ幕が多い。法律事務所や破産専門ブローカーらが、PRのために掲げたものだ。

◆借金で商売を開始したものの、不況のあおりで利息すら払えない自営業者、銀行から融資を受けることが難しく、40%もの高利貸しを利用することもできない農民や漁民、融資を受けた学資金ローンを返済しなければならないが、就職ができず、さす術のない若者失業者…。事前に債務調整する個人ウォークアウトを始め、信用回復支援制度は、このように切羽詰った立場にある債務者らのために行われている。しかし、破産ブローカーらが、「裁判所に個人破産申請をすれば、100%借金が免除される」とそそのかしており、債務者らにとって、この上ない耳寄りな話である。


◆昨年1年間の個人破産14万4137件中、94.4%が破産宣告を受けた。これだけ破産宣告が容易になれば、信用回復支援制度を活用するよりは個人破産を申請した方が、債務者にとっては有利になる。「裁判所の破産制度を利用せよ」というブローカーらのPRは、十分説得力がある。実際に、個人破産の申請件数は急増した。04年1万2317人だった申請数は、昨年は11万8643人に増加し、今年1月から8月末にかけて7万4942人に上る。


◆個人破産制度は、わらをもつかむ思いの債務者にとって、救世主のようなものだが、善良な債権者らや地域経済に及ぼす弊害は大きい。地域の複数の金融機関が倒産し、損害を被った銀行が貸出金利を引き上げることになれば、その被害は利息を払っている人々に転嫁される。債務者らのモラル・ハザード現象が蔓延し、被害を受けた債権者らが貸し渋ることになれば、資金が回らず、地域経済はさらに委縮することになる。諸外国のように、破産申請を行う前、「事前相談制度」を義務付けるなど、個人破産制度の乱発を防止する制度の改善が求められる。


朴永均(バク・ヨン牛ン)論説委員 parkyk@donga.com


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