投資詐欺:高齢者狙われ急増 半年で1098件97億円

こういうふうに被害に遭ってしまった方の具体的な経緯を知ると、ただただ犯人が憎くて仕方ないですね。被害者の方はこつこつ頑張ってこれだけのお金を蓄えてきたというのに、片や騙した方はいとも簡単に、それもこんな悪どい方法で大金を得ているなんて。そんなことが許されるわけないですよね。
一見すると大金という利益を得ているように見えますが、利益なんかではない、精神的な観点から見るとむしろ自ら破滅への道を選んだようなものだと思います。

投資詐欺:高齢者狙われ急増 半年で1098件97億円
毎日新聞 10月06日

架空の投資話で金をだまし取られる被害が急激に増えている。被害者の大半が60歳以上の高齢者だ。1件当たりの被害額は、振り込め詐欺の倍とされる。「老後が楽になると思った」。老後の蓄えをすべて失ったという兵庫県の無職男性(76)が毎日新聞の取材に応じ、将来の心配から手を出した心情を語った。

◇蓄え全部失った…兵庫の男性「1000万円」被害

現在は年金生活の男性は、父親から引き継いだ個人商店を営んでいたが、約30年前、オイルショックなどの不況で店をたたんだ。その後は契約社員として、70歳まで土木や配管の仕事を続け、家族を養ってきた。

正社員ではなかったため退職金などはなかったが、老後のためにコツコツと貯金し、退職時には約1000万円を蓄えた。

不審な封筒が自宅に届いたのは退職して約4年後の2011年11月。東京の精密機器開発会社を紹介するパンフレットが入っていた。この会社の未公開株の購入を勧める一文もあった。

数日後、株の仲介会社を名乗る男が自宅に電話してきた。「パンフレットが届いた人しか未公開株を買えません。今、買えば5割増しで別の投資家が買い取ります」

男性は半信半疑だったが、「万が一、損しても少額ならいいのではないか」と考え、20万円分(4株)の購入を申し込んでしまった。

間もなく、精密機器開発会社の営業担当者を名乗る男が自宅を訪ねてきた。「大企業に成長する」。会社の将来を熱っぽく語った。手渡された株券に透かしが入っていたこともあり、男性は警戒心を失ったという。

それ以来、複数の株仲介会社をかたる電話が次々とかかり、未公開株の購入を勧めてきた。「芸能人や政治家が脱税した裏金で、株を高く買い取ってくれる」「購入額の4.8倍で引き取る」。男性は甘い言葉に舞い上がり、196株(980万円)を追加投資した。

株仲介会社が定めた株券の買い取り日が待ち遠しかった。当日は兵庫県内のJR駅前で社員と会う予定だった。しかし、前日に突然、キャンセルしてきた。その後、精密機器開発会社に未公開株の買い戻しを求めたが、電話が不通となった。

男性はようやく詐欺被害を疑い、警察に相談した。民事訴訟も起こしたが、金が戻ってくる可能性は低い。

男性は「詐欺に引っかかって恥ずかしい。年を取って体力が衰え、老後を少しでも楽にできればと思ってしまった」と悔やむ。そして、「詐欺グループは、老後が心配な私のような世代を狙っている」と憤った。
 
◇被害の9割、60歳以上

警察庁によると、未公開株の購入など金融商品取引を名目にした投資詐欺の認知件数(未遂含む)は今年1~7月、全国で1098件、被害総額は約97億3400万円に上った。

集計を始めた2010年(2~12月)は112件(約7億124万円)。既に約10倍に達している急増ぶりだ。被害者の9割以上は60歳以上で、高齢者が標的にされていることがうかがえる。

1件当たりの被害額が多いのも特徴という。振り込め詐欺などの特殊詐欺は1件当たりの被害額が約431万円なのに対し、投資詐欺は倍の約925万円。警察庁は「高齢者は情にほだされやすく、蓄えがあるとみられるため狙われやすい」と注意を呼びかける。
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